京極夏彦 トクマ・ノベルズ

ルー=ガルー ― 忌避すべき狼

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ルー=ガルー ― 忌避すべき狼
【発売:2001年6月】

妖怪をモチーフにしたシリーズで、独自の小説世界を築いている京極夏彦が、近未来を舞台にした本作品で、新しい試みに挑戦しました。

それは、執筆にあたり、近未来社会の設定を読者から公募することによって、幅広いアイデアを物語に盛り込もうという試みです。

従来、小説は、作者から読者に一方的に物語を提供する片方向のものでしたが、本作品は双方向の試みを取り入れて誕生したのです。そのためのプロジェクト「F.F.N」(フューチャー・フロム・ナウ)は98年にスタートしました。

インターネットや、月刊「アニメージュ」などで、募集した様々なアイデアが京極氏の物語をどのように輝かせるのいか。99年、応募の締め切り以来、刊行までの3年間でさまざまな変化が現実にはおこりました。読者が考えたアイデアが、どのように、作家の想像力を刺激したのでしょうか?

ルー=ガルーとは、中世ヨーロッパにおける狼憑きという意もあります。

この物語の主人公は、14歳の少女たちです。21世紀半ばの都市。清潔で無機的な均一化した社会。現実感は希薄で、モニタの中だけで世界を認識していた少女たちは端末につながれていました。ところが連続殺人事件を発端に、少女たちが、仮想の世界から飛び出します。そして少女たちは闘います。・・・その闘いの果てに見出したのは?!

まったく新しい京極ワールドです。

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京極夏彦のプロフィール

小説家、意匠家。
1963年北海道生まれ。
1994年、かねてよりアイデアを温めていた妖怪小説『姑獲鳥の夏』で鮮烈な小説家デビュー。
『魍魎の匣』で第四十九回日本推理作家協会賞、『嗤う伊右衛門』で第二十五回泉鏡花文学賞、『覘き小平次』で第十六回山本周五郎賞、『後巷説百物語』で第百三十回直木賞を受賞

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