【発売:2006年2月】
無類の珍談奇談好きである東京警視庁一等巡査の矢作剣之進は、仲間と共に薬研堀の九十九庵を訪れる。 維新から十年、町並みも世情も変わりゆく中、いまだ江戸が残るその庵の主は一白翁と名乗る老爺。 かつて怪異譚を集めて諸国を巡ったという、博学にして無欲なる世棄て人である。 若者に乞われて隠居が語る、怪しく、悲しい昔話。 胸の裡によみがえるは、鈴の音と、忘れえぬあの声…御行奉為―第130回直木賞受賞作品。 |
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