京極夏彦さんの執筆された作品を紹介しています。
「私の情夫だから」、これは男にとって女に言われる最上の言葉だが、大概の男は、一生に一度もこの台詞を聞くことは無い。 何故なら、この台詞を吐き出す女こそ、性悪な女だからだ。
そして性悪女の美しさを、大概の人は知らない。
彼女達が、どれほど恠しい女なのか。この作品は、それを教えてくれる。
『絡新婦の理』には、主題はあるがメロディーはない。 登場人物は、全てパートであり、それらが実に巧みにアンサンブルしている。