京極夏彦さんの執筆された作品を紹介しています。
無類の珍談奇談好きである東京警視庁一等巡査の矢作剣之進は、仲間と共に薬研堀の九十九庵を訪れる。
維新から十年、町並みも世情も変わりゆく中、いまだ江戸が残るその庵の主は一白翁と名乗る老爺。
かつて怪異譚を集めて諸国を巡ったという、博学にして無欲なる世棄て人である。
若者に乞われて隠居が語る、怪しく、悲しい昔話。
胸の裡によみがえるは、鈴の音と、忘れえぬあの声…御行奉為―第130回直木賞受賞作品。